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琥珀の時間

母の遺品の梅酒をサイダー割りにして飲む。
母が昭和62年6月9日に漬けたもの。
23年の歳月が経過し、梅酒はすっかり琥珀色になっている。

梅酒だけではない。
ウィスキー、コニャック。
年を経た蒸留酒は皆、琥珀色をしている。

琥珀とは、そもそも植物の樹脂が化石となったもの。
つまり、長い時間を経た植物のエッセンスの示す色が琥珀色なのだ。

透き通った褐色を見る時、人は不思議な心の安らぎを感じる。
それは、巨大な船に乗った時に、波の揺れをほとんど感じない安定感に似ている。
人生には山もあり谷もあり、毎日が大小の波に満ちている。
けれども、何十年の歳月の長さを持つ船に乗っていれば、波など無いに等しい。

コーヒーの代名詞として、よく琥珀色が用いられる。
コーヒーもそうだが、紅茶もまた琥珀色をしている。

喫茶とは、今という時間を味わい楽しむ贅沢な行為だ。
それは、一杯のカップの中の琥珀色に込められた長い時間というエッセンスが、安心して今という時間を味わい生きる力を与えてくれるから可能になるのだろう。

かくして私は、梅酒サイダーの後に一杯の深炒りコーヒーを飲む。
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テーマ : 心と言葉。
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

迷林亭主

Author:迷林亭主
迷林亭主ことカウンセリングルーム・メイウッド室長 服部治夫。
三鷹市の住宅地に佇む隠れ家的なヒーリグ・スペース。
古民家を改装したくつろぎの空間で、アートセラピーや催眠療法などを活用し、カウンセリングやヒーリング、創造性開発の援助に取り組んでいます。

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