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永劫回帰

家電量販店でダイソンの扇風機を見た。
円環と中空、無から生じる有。
東洋的な思想を西洋的なデザインで形にしたもの。
私はふと、ニーチェの永劫回帰を思い浮かべた。

永劫回帰とは、宇宙の事象は終末を迎えることなく円環運動を描き、全て寸分たがわず同じことを無限に繰り返すことである。
つまり、人が経験する人生の或る瞬間は一回性のものではなく、際限もなく繰り返される。

何回も繰り返される同じ人生を括弧でくくって、今現在と言う瞬間に焦点を当てると、それは無限の厚みを持ったもの、すなわち、永遠となる。
今=永遠。
これは誰でも感じることのある普遍性のある感覚だと思う。

今を永遠と感じる不思議さを考える時、主観の問題として、認識論的アプローチを試みる方がやり易い。
仏教でもカウンセリングでも個人が主観的にどう感じるか、に重きを置いている。
それに対して、ニーチェはソクラテス以前のギリシャ哲学に傾倒していたためであろうか、この問題を存在論的に解釈しようと試みたのが永劫回帰論なのではないだろか。

つまり、永劫回帰と言うのは、ニーチェの表現である。
それ故、永劫回帰そのものについて論理的に検討することよりも、彼にそう言う表現をさせた原体験に思いを寄せる方が実り多い。

今と言う時がとても良い瞬間であれば、それを肯定的に受け入れ、いつまでも続いて欲しいと思う。
今=永遠が良い時であれば、誰でも肯定的に受け入れられる。
一方、今と言う時がとても嫌なものであったら、そして、今=永遠であったとしたらどうだろうか。
逃げ出したい、と思うが、今=永遠であれば、逃げることは不可能だ。
開き直ってそのまま受け入れ、肯定する他、生きる道は無い。
つまり、今と言う時がどんな時であろうとも、肯定する他無いのだ。

私達は人生のいくつかの或る瞬間に永遠を感じることがある。
また、時には嫌なことを受け入れ、肯定することも出来る。
しかし、人生の全ての瞬間に於いて、良いこと嫌なこと全てを受け入れ、肯定し、永遠と感じることはとても出来ない。
それが出来るのが、超人と言うことなのだろう。

超人と言う目標に向かって進む風を起こす装置。
ニーチェの扇風機。
それが永劫回帰の正体なのだ。
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テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

迷林亭主

Author:迷林亭主
迷林亭主ことカウンセリングルーム・メイウッド室長 服部治夫。
三鷹市の住宅地に佇む隠れ家的なヒーリグ・スペース。
古民家を改装したくつろぎの空間で、アートセラピーや催眠療法などを活用し、カウンセリングやヒーリング、創造性開発の援助に取り組んでいます。

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